神経芽腫って知っていますか?
神経芽腫は白血病や脳腫瘍に次いで多い小児がんであり、小児の腹部にできる代表的ながんです。1歳以下で発症することが最も多く、大部分は5歳以下で発見されます。 神経芽腫のできやすい部位は、お腹の中でも副腎といわれる腎臓の上に乗っている臓器や、交感神経節と呼ばれる背骨の両側にある神経由来の組織です。副腎も交感神経節も体の背中側にありますが、お腹がわに向かって大きくなるため、お腹の腫瘍として発見されます。
また、交感神経節は首から骨盤まで続いているので、お腹の部分だけでなく、頚部、胸部、骨盤からも発生することもあります。早期発見を目指して、日本全体で尿を用いたマススクリーニングが行われた時期もありましたが現在は一旦中止されています。また、健診で偶然に見つかったり、胸のレントゲン写真を撮った時に偶然発見されることもあります。
しかし、半数以上の方は腫瘍が転移を起こし、転移による症状で発見されます。たとえば、骨への転移による手足の痛みのために歩き方がおかしくなったり、目の奥の骨に転移すれば瞼が腫れたりします。発熱や顔色不良、不機嫌、元気がないなど漠然とした症状が続くこともあります。