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新規病理・分子生物学的リスク分類の開発とゲノム診療に向けた基盤構築研究のお知らせ(2018年1月18日)
神経芽腫研究『神経芽腫の新規病理・分子生物学的リスク分類の開発とゲノム診療に向けた基盤構築』へのご協力のお願い
1.研究の対象
1) 2010 年12 月以降に全国の医療機関にて神経芽腫と診断され,JCCG神経芽腫委員会(JNBSG)に登録された医療機関で治療を受けられた方(診断時に受診機関にて「小児固形腫瘍観察研究および試料の研究利用に関する同意書」の「余剰検体を保存し研究に利用すること」に同意された方)
2) 1995年4月以降に全国の医療機関にて神経芽腫と診断され,JNBSGまたはJCCGに登録された医療機関で治療を受けられた方(診断時に受診機関にて「研究への使用」に同意された方)
2.研究目的・方法
近年技術革新が進んだことで,ヒトのほぼ全ての遺伝子についてDNA 配列のレベルで調べることができるようになっています.この研究では,神経芽腫の腫瘍細胞で起こっている様々な遺伝子の変化を,高度な解析装置を使用して正常細胞と比べながら多数の症例について詳細に調べます.臨床経過の違いと関連する遺伝子の変化を見つけることにより,なぜ腫瘍細胞が生まれ,様々な症状をもたらすのか,そしてそれぞれの腫瘍のタイプに適切な治療法のありかたについて詳しく分析し,その理由や構造を明らかにすることを目的としています.なお研究から得られた神経芽腫に関して重要な遺伝子情報は,たいへん貴重なものですので,国内外の研究用データベースに登録し,ほかの研究にも役立てたいと考えています.
本研究は,JCCG-JNBSG が進める臨床試験の付随研究として,①網羅的遺伝子発現解析,②ゲノムコピー数異常プロファイル解析(次世代型シーケンサーを用いた網羅的な体細胞遺伝子変異解析を含む),③ゲノムメチル化検索などのエピゲノム解析,④がん遺伝子パネルを用いたがん組織の遺伝子変異解析,⑤中央病理診断と中央分子生物学的診断からなる基礎データの収集と蓄積,の5 項目の解析をJCCG-JNBSG ならびに共同研究機関との連携により行います.これらの解析により,腫瘍の分子生物学的プロファイルデータとがん遺伝子パネルを用いたがん細胞の遺伝子変異データを蓄積し,予後や増悪・再発の有無などの臨床経過との関連やがん関連遺伝子の変異の頻度を調べることにより,神経芽腫の予後(治療感受性)を予測する新しい腫瘍リスク分類システムと,がん遺伝子パネルを用いたゲノム診療システムを構築することを目的としています.また,国際神経芽腫リスクグループ(INRG)など海外の研究グループと連携し,本研究から得られたマーカー情報の一部をINRG データベースと共有化することにより,国際的なリスク分類データベースの構築にも貢献します.
研究実施期間:2018年1月(倫理審査委員会承認日)より5 年間(収集データ数によっては延長の可能性あり)
3.研究に用いる試料・情報の種類
情報:発症年齢(月齢),検査時マーカー各種,病歴,治療歴,転帰,副作用等の発生状況,がん組織の網羅的ゲノム・エピゲノム解析のデータ(遺伝子変異データ含む)等
試料:生検や手術,検査などで採取された腫瘍検体と血液
4.外部への試料・情報の提供
本研究はそれぞれの解析を外部専門機関との共同研究で行うため,匿名化した情報や検体を提供することがあります.都度JCCG-JNBSG の定める方法で厳重な管理のもと行います.本研究から得られたデータの解析結果は国内外の学会や論文などで発表します.論文などで報告したデータは,バイオサイエンスデータベースなどの公開データベースに登録します.得られた有用なマーカー情報はJCCG-JNBSGに還元し,匿名化した研究用のデータベースとなります.またその情報の一部を国際神経芽腫リスクグループ(INRG)のデータベースと共有します.データセンターへのデータの提供は,特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います.これらの研究用データベースは,データを見ても誰のデータなのかはわからないようになっています.
5.研究組織
埼玉県立がんセンター:上條岳彦,大平美紀,春田雅之
埼玉県立小児医療センター:中澤温子
国立がん研究センター研究所:市川 仁,河野隆志,牛島俊和,山崎文登
国立成育医療研究センター:菱木知郎,松本公一,瀧本哲也,清河信敬,義岡孝子
国立国際医療研究センター:七野浩之
東京大学:滝田順子
京都府立医科大学:家原知子,細井 創,田尻達郎,手良向聡
佐賀県医療センター好生館:中川原章
広島大学:檜山英三
慶応大学:大喜多肇
千葉県がんセンター研究所:永瀬浩喜
ほか:JCCG,JNBSG,JNBSG登録施設117施設
(JCCG ホームページ http://jccg.jp,JNBSGホームページ http://www.jnbsg.jp)
6.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい.ご希望があれば,他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で,研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい.また,試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので,下記の連絡方法でお申出ください.その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません.
研究内容についての照会先:
埼玉県立がんセンター臨床腫瘍研究所:上條岳彦(研究代表者),大平美紀(研究分担者)
〒362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室818 TEL 048-722-1111
研究への利用を拒否する場合の連絡先:
試料は匿名化されているため,研究利用を拒否する場合は,まず診断時の医療機関や現在の主治医にその旨お申し出ください.申し出を受けた各医療機関は匿名化番号を上記問い合わせ先にご連絡ください.